明日使える小説知識 ♯2 “ナノテク”
明日知ったかぶる為の自分用メモ。
ナノって何よ?
まず、ナノってのが何かって云うと、メートル法の単位です。 ナノセンチメートル。
とにかく小さい単位で、この下にピコセンチとかフェムトセンチって単位があります。
ただ、原子1つが0,1ナノメートルなので、これより小さくなると原子より小さくなってしまいます。
そのため、一応ナノが物理的には最小の単位で、最小技術ということになっています。
なにせ、ナノって単位を日本語で書くと“塵”ですからね。 塵機械ですよ。
その単位で活躍する機械を“ナノマシン”、この単位で加工する技術を“ナノテク”と呼びます。
なので、原理的には原子レベルでガン細胞だけ消滅させたりする、とか。
他にも“伸びて変形する金属”とか、“空気中の元素を組み替えて自然派生的に核爆発”とかが可能です。
…あ、上記のモノは全てSFではありきたりな設定ですが、現実には存在していないのであしからず。
ナノテクって何ができんの?
現実的な範疇で行くなら、なんか凄い電子部品程度に考えておこう。
現在、実用化されているナノテクの代表的なモノにカーボンナノチューブが挙げられる。
カーボン…つまりダイヤモンドとかで有名な炭素である。
特長にも顕著に現れていて硬さはダイヤモンドと同等、その上で銅の千倍程度の電気を通せるという特性を持つ。
つまり、丈夫で通電性能も高い革命的な素材なのだ。
現在のソーラー発電では、100%の太陽光が有っても電気変換の際にロスが生じて16%ほどの出力にしかならない。
これをロスが少なくし、果てしなく100%に近くする…可能性が提起されています。
ただ大事なのは、現在提唱されてる新技術を以ってしても100%は100%で、決して100%は越えないということ。
どんなに小さい単位で奇跡的な所作が行われたとしても、質量保存の法則は無視する理由にはならないのだ。
無視しようとすると、全自動核融合ナノマシンとか、それに近い性能を持つ設定が必要になる。
ただ、ニュアンス的に無限っぽいエネルギーを小説内でアピールすることはできる。詳しくは次項。
最強のナノマシン? アセンブラー
ナノマシンが無限のエネルギィのように扱われる側面に“アセンブラー”が存在する。
初出は小説で、SF作家にとって好意的に意訳すると『自己を増殖する機能を持つナノマシン』を指す。
つまり、ナノマシンが大気やゴミなどのどうでもいい原子レベルで分解し、自分と同じものを作り出す、という物。
理論上、絶対真空以外の場所でなら自己を複製することができ、1つが2つ、2つが4つ、4つが8つと加速度的に増えていく。
絶対真空は地球上では有り得ないし、地球上で運用する以上、実質的に無補給・無制限のエネルギーソースと呼べるのだ。
アセンブラーが自己増殖以上の機能があれば、その機能を無限に使えるわけだしね。
ただ、アセンブラー機能を有するナノマシンには、とある致命的な問題が存在する。
それは、何らかのナノマシンが制御不能になったら?という物。
連続で複製を繰り返すのだから突発的バグが無いとも限らないし、ハッキングを受けてしまうかもしれない。
こうなるとナノマシンは全ての物質を分解し、地球全土をナノマシンに変貌してしまう。
ナノマシンに変貌した状態をSF用語でグレイ・グーと呼ぶ。
天然ナノテク
ナノテクというとメカニックなイメージが先行しがちだが、広義には他にも種類が存在する。
先述したが、ナノとは原子の10分の1のサイズであるが、その単位に果てしなく近い自然物が存在する。
それがウイルスだ。 ひとつのウイルスが10ナノセンチメートルなので、スケールも合う。
ウイルスはデフォルトで自己増殖=アセンブラー的機能を有しているのもポイント。
つまり、極論ではあるが、SFにおいてはナノマシンにできることは人造ウイルスにもできることが多い。
逆もしかりで、ウイルス的側面を持つナノマシンもアイデアとしては凡庸であるとすら云える。
意訳すると…
創作作品の中でナノマシンという単語が出たら、“なんでもできるアイテム”との解釈が妥当だ。
“魔法”“宇宙人の技術”“錬金術”“未来の道具”“超進化ウイルス”と同じニュアンスだ。
極限の極小の世界で、目には見えない化学変化を起すナノスケールの超技術、それがナノテク。
参考文献:基礎から学ぶナノテクノロジー 平尾一之著
ナノって何よ?
まず、ナノってのが何かって云うと、メートル法の単位です。 ナノセンチメートル。
とにかく小さい単位で、この下にピコセンチとかフェムトセンチって単位があります。
ただ、原子1つが0,1ナノメートルなので、これより小さくなると原子より小さくなってしまいます。
そのため、一応ナノが物理的には最小の単位で、最小技術ということになっています。
なにせ、ナノって単位を日本語で書くと“塵”ですからね。 塵機械ですよ。
その単位で活躍する機械を“ナノマシン”、この単位で加工する技術を“ナノテク”と呼びます。
なので、原理的には原子レベルでガン細胞だけ消滅させたりする、とか。
他にも“伸びて変形する金属”とか、“空気中の元素を組み替えて自然派生的に核爆発”とかが可能です。
…あ、上記のモノは全てSFではありきたりな設定ですが、現実には存在していないのであしからず。
ナノテクって何ができんの?
現実的な範疇で行くなら、なんか凄い電子部品程度に考えておこう。
現在、実用化されているナノテクの代表的なモノにカーボンナノチューブが挙げられる。
カーボン…つまりダイヤモンドとかで有名な炭素である。
特長にも顕著に現れていて硬さはダイヤモンドと同等、その上で銅の千倍程度の電気を通せるという特性を持つ。
つまり、丈夫で通電性能も高い革命的な素材なのだ。
現在のソーラー発電では、100%の太陽光が有っても電気変換の際にロスが生じて16%ほどの出力にしかならない。
これをロスが少なくし、果てしなく100%に近くする…可能性が提起されています。
ただ大事なのは、現在提唱されてる新技術を以ってしても100%は100%で、決して100%は越えないということ。
どんなに小さい単位で奇跡的な所作が行われたとしても、質量保存の法則は無視する理由にはならないのだ。
無視しようとすると、全自動核融合ナノマシンとか、それに近い性能を持つ設定が必要になる。
ただ、ニュアンス的に無限っぽいエネルギーを小説内でアピールすることはできる。詳しくは次項。
最強のナノマシン? アセンブラー
ナノマシンが無限のエネルギィのように扱われる側面に“アセンブラー”が存在する。
初出は小説で、SF作家にとって好意的に意訳すると『自己を増殖する機能を持つナノマシン』を指す。
つまり、ナノマシンが大気やゴミなどのどうでもいい原子レベルで分解し、自分と同じものを作り出す、という物。
理論上、絶対真空以外の場所でなら自己を複製することができ、1つが2つ、2つが4つ、4つが8つと加速度的に増えていく。
絶対真空は地球上では有り得ないし、地球上で運用する以上、実質的に無補給・無制限のエネルギーソースと呼べるのだ。
アセンブラーが自己増殖以上の機能があれば、その機能を無限に使えるわけだしね。
ただ、アセンブラー機能を有するナノマシンには、とある致命的な問題が存在する。
それは、何らかのナノマシンが制御不能になったら?という物。
連続で複製を繰り返すのだから突発的バグが無いとも限らないし、ハッキングを受けてしまうかもしれない。
こうなるとナノマシンは全ての物質を分解し、地球全土をナノマシンに変貌してしまう。
ナノマシンに変貌した状態をSF用語でグレイ・グーと呼ぶ。
天然ナノテク
ナノテクというとメカニックなイメージが先行しがちだが、広義には他にも種類が存在する。
先述したが、ナノとは原子の10分の1のサイズであるが、その単位に果てしなく近い自然物が存在する。
それがウイルスだ。 ひとつのウイルスが10ナノセンチメートルなので、スケールも合う。
ウイルスはデフォルトで自己増殖=アセンブラー的機能を有しているのもポイント。
つまり、極論ではあるが、SFにおいてはナノマシンにできることは人造ウイルスにもできることが多い。
逆もしかりで、ウイルス的側面を持つナノマシンもアイデアとしては凡庸であるとすら云える。
意訳すると…
創作作品の中でナノマシンという単語が出たら、“なんでもできるアイテム”との解釈が妥当だ。
“魔法”“宇宙人の技術”“錬金術”“未来の道具”“超進化ウイルス”と同じニュアンスだ。
極限の極小の世界で、目には見えない化学変化を起すナノスケールの超技術、それがナノテク。
参考文献:基礎から学ぶナノテクノロジー 平尾一之著
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