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【ガメラ】 MISSING MEMORYS~共鳴~ 【クウガ】

 ガメラとクウガとウルトラマンティガは、20世紀特撮から21世紀特撮への過渡期を表すモニュメント的名作。
 というわけで、ガメラとクウガをクロスオーバーさせてみた。


 


 平和に暮らすリントたち。
 その中で、空を見上げる一人の若者が居た。
 彼の瞳は空そのものだった。だから空に引き寄せられた。だからリントの民は彼の瞳を信じた。


 その平和は、突然終わった。
 戦いを好む民族、グロンギたちが戦いを仕掛けてきた。
 彼らはルーン文字を扱う異国の民から特殊なオリハルコン…ゲブロンを入手していた。
 ルーン文字の一族がゲブロンと同じく授けた魔鳥・ギャオスに乗り、襲撃してくるのだ。
 ゲブロンは体内に取り込むと下腹部にベルトのような形で定着し、力を授けるのだ。
 歪んだ彼らの心のように、その姿が歪む。
 あるものは昆虫のような、あるものは獣のような、その姿は少なくとも人ではなかった。彼らの心と同じように。
 だが、恐ろしく人間に似た姿でもあった。彼らの心のように…。


 集落は燃え上がる。
 笑いあっていた家族同然の村人たちの無残な死体が広がるのを、青年の空の瞳はしっかりととらえていた。
 「もっと遊ぼうよ」
 首魁と思しき白い魔人が笑う。
 どうしてこんなことをするんだ! 青年の悲痛な叫び。白い魔人はただ不思議そうにし、隣にいたヤマアラシが代わって答えた。
 「楽しいから…。キミたちが苦しむ姿が…楽しいから」
 グロンギたちが殺した死体をギャオスたちに食わせていく。
 燃え上がる怒り、殴り掛かる青年。
 ギャオスが嗤うように口角を釣り上げる。超音波レーザーの体勢。発射する寸前にそのギャオスが燃え上がった。
 「ゲゲルに反する。ギャオスたちが殺しては…数えられん」
 フクロウ怪人が抑揚も無くしゃべる。首魁の白い怪人が焼き尽くしたらしい。


 「キミは殺さないよ。今日は…もうゲゲルは終わりだからね。また遊ぼうよ」


 怪人たちがギャオスに乗り、空へ。
 その姿を、ただひとり生き残った彼は歯をかみしめながら見送るしかなかった。
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テーマ : 自作連載小説
ジャンル : 小説・文学

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ママチャリ日本一周するために仕事を辞める変人。
特撮・古マンガ好きの若いのに懐古という変人です。

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