ママチャリ日本一週#6 5月17日(岩手県普代村)
普代村行きをあきらめようとする中、ツイッターでも励ましのメッセージを戴いたり、中には『普代村ですがうちに泊まるか?』と言ってくれた方まで。
まあ、そこで変なスイッチが入るのが俺なわけで。
『何を弱気になっているんだ俺は? 人生最後の旅行じゃないか。よっぽどだったらアルカリ電池ぐらい買えよボケが』
と根拠も無ければ、自分の限界も無視したような、全くもって一番理解できないのが自分自身で。
雨の中、自転車が走り出しました。

普代村に到着の寸前から、徐々に感じる気配。
そして、道路標識にある可能性を感じる。
以前から銀次という選手は、活躍からして一桁の背番号を付けても良いはず。
仙台と普代村はおおよそ距離は330キロらしい。そこに引っ掛けているのか?
そんな考えをしながら、普代村に到着するとパンクした。しかもバルブの付け根で。
雨の中、手がかじかみ、冷たい水にチューブを入れて確認する。エアバルブが破損していることに気がつき、その上、タイヤも大きく傷ついていた。
しかも、どうしようもないことに、普代村に自転車屋なんてありはしない。
パンクをしている状態で峠は越えられない。どこにも行けない。
途方にくれるが、不思議と不安でもなく、なんとかなる気がした。
『すいません、自転車が壊れて困っています。修理できるところはありませんか?』
英会話のテキストのような定型文の質問。雨の中で土いじりをしているお姉さんに声をかけた。
『ここから見えるあの上、自転車の修理もやってくれるよ』
絵本のような展開で、ワクワクとしていることに驚いていた。
到着するとその店はシャッターも開いて鍵も掛かっていなかったが、誰も居なかった。
雨の中、時間だけが過ぎて、そのおじさんはどこからともなく、現れた。
『助けてください。自転車の部品を探しています』
『ここ、自転車屋じゃないんだけどね』
そう言いつつ、倉庫の奥から部品を見つけ出してくれた。
プロの自転車屋という手付きでもなく、ところどころ怪しいところは俺も一緒に組み立てた。なにせ俺の自転車だ。
その間、そのおじさんの生まれや、俺のルートの相談、銀次の話なんかをしていた。
自転車を直している時間がとても楽しく、終盤になると『じゃあ、荷物を付けたら?』『試運転した?』などと、清算も終わっていないのに色々なことを言い続けるおじさん。
信用してくれるのはいいけど、もし俺がこのまま乗り逃げしたらどうするんだ? そんな風に思っていた。
『あ、すいません。お支払いは?』
『なに? 払いたいの?』
不思議と乗り逃げしたっていいのに、というニュアンスだった。
俺はママチャリ旅行者で見るからに金が無さそうだという風体であったことを思い出した。
『じゃあ、2000円で良いよ』
良いわけは無い。部品代だけで2000円する。2000円で修理を終えたら赤字が出る。
確かに俺も修理に参加していたが、俺は相場を払えることを話した。
『じゃあ、これ、サービス。飴こ』
今、ポケットから出したようなミルキーは、妙に美味くて、雨も止んでいた。
なんだか知らないが、俺の中ではこの時点で、この旅に出て良かったと思っていたし、なぜ普代村に来るのを悩んでいたのかがわからなくなっていた。



時間が押していたので、キャンプ場を目指す。途中で磯ラーメンとめかぶ丼。


まあ、そこで変なスイッチが入るのが俺なわけで。
『何を弱気になっているんだ俺は? 人生最後の旅行じゃないか。よっぽどだったらアルカリ電池ぐらい買えよボケが』
と根拠も無ければ、自分の限界も無視したような、全くもって一番理解できないのが自分自身で。
雨の中、自転車が走り出しました。

普代村に到着の寸前から、徐々に感じる気配。
そして、道路標識にある可能性を感じる。
以前から銀次という選手は、活躍からして一桁の背番号を付けても良いはず。
仙台と普代村はおおよそ距離は330キロらしい。そこに引っ掛けているのか?
そんな考えをしながら、普代村に到着するとパンクした。しかもバルブの付け根で。
雨の中、手がかじかみ、冷たい水にチューブを入れて確認する。エアバルブが破損していることに気がつき、その上、タイヤも大きく傷ついていた。
しかも、どうしようもないことに、普代村に自転車屋なんてありはしない。
パンクをしている状態で峠は越えられない。どこにも行けない。
途方にくれるが、不思議と不安でもなく、なんとかなる気がした。
『すいません、自転車が壊れて困っています。修理できるところはありませんか?』
英会話のテキストのような定型文の質問。雨の中で土いじりをしているお姉さんに声をかけた。
『ここから見えるあの上、自転車の修理もやってくれるよ』
絵本のような展開で、ワクワクとしていることに驚いていた。
到着するとその店はシャッターも開いて鍵も掛かっていなかったが、誰も居なかった。
雨の中、時間だけが過ぎて、そのおじさんはどこからともなく、現れた。
『助けてください。自転車の部品を探しています』
『ここ、自転車屋じゃないんだけどね』
そう言いつつ、倉庫の奥から部品を見つけ出してくれた。
プロの自転車屋という手付きでもなく、ところどころ怪しいところは俺も一緒に組み立てた。なにせ俺の自転車だ。
その間、そのおじさんの生まれや、俺のルートの相談、銀次の話なんかをしていた。
自転車を直している時間がとても楽しく、終盤になると『じゃあ、荷物を付けたら?』『試運転した?』などと、清算も終わっていないのに色々なことを言い続けるおじさん。
信用してくれるのはいいけど、もし俺がこのまま乗り逃げしたらどうするんだ? そんな風に思っていた。
『あ、すいません。お支払いは?』
『なに? 払いたいの?』
不思議と乗り逃げしたっていいのに、というニュアンスだった。
俺はママチャリ旅行者で見るからに金が無さそうだという風体であったことを思い出した。
『じゃあ、2000円で良いよ』
良いわけは無い。部品代だけで2000円する。2000円で修理を終えたら赤字が出る。
確かに俺も修理に参加していたが、俺は相場を払えることを話した。
『じゃあ、これ、サービス。飴こ』
今、ポケットから出したようなミルキーは、妙に美味くて、雨も止んでいた。
なんだか知らないが、俺の中ではこの時点で、この旅に出て良かったと思っていたし、なぜ普代村に来るのを悩んでいたのかがわからなくなっていた。




時間が押していたので、キャンプ場を目指す。途中で磯ラーメンとめかぶ丼。


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