SFショートショート劇場2『肥満は病気です、まずは専門医に相談を』
最小文字数に挑戦したものの、1500文字くらいでこれ以上減らせず。
次回最小文字数に挑戦するときは1000文字切りたいっす。
…あ、ただ、『文字数が少ないから内容が面白くなくてもしょうがない』っていう発想ができない気質なので、
普通に酷評なり、粗探しは歓迎です。
一応云っておこう!
作品のキャラクターの思考が、必ずしも作者と同じとは限らない!
フリーザを書いた鳥山先生は悪逆非道か!? 違うでしょうッ!?
ドカベンやあぶさんの水島先生は野球の名選手か!? 違うでしょうッ!?
こういう考え方が作者の中にあるのは事実ですが、イコールじゃないっす。
次回最小文字数に挑戦するときは1000文字切りたいっす。
…あ、ただ、『文字数が少ないから内容が面白くなくてもしょうがない』っていう発想ができない気質なので、
普通に酷評なり、粗探しは歓迎です。
一応云っておこう!
作品のキャラクターの思考が、必ずしも作者と同じとは限らない!
フリーザを書いた鳥山先生は悪逆非道か!? 違うでしょうッ!?
ドカベンやあぶさんの水島先生は野球の名選手か!? 違うでしょうッ!?
こういう考え方が作者の中にあるのは事実ですが、イコールじゃないっす。
彼女は私の病院に突然やってきた。
…予約を入れていない非常識な患者は総じてそうだ。いきなりやってくる。
「先生、私痩せたいんです」
こう云われて理由を訊くのは無意味だ。
痩せたいから痩せたい、そう云われたらただ商売…じゃなかった、治療をするだけだ。
「はい、ではこれはどうでしょう。カロリー電消機です」
「でん…しょう?」
「原理は難しくありません。
人間は食物をエネルギーとして消費しますが、太るというのは何らかの要因…」
ここで不摂生だとか、自己管理不備などは禁句、客を逃がすだけだ。
…ああ、云いたい。
相手の欠点を云い連ねて、優越感に浸りたい。
私が医者をやっている最大の積極的理由がそれだ。
病気で不幸な患者が居れば、健康な私がそれを看取る…幸せとは比較なのだ。
自分より不幸なクズが居るからこそ、自分の幸福を感じることができる。
…そんなわけで、私は説明を続ける。
「電消機の放射線を浴びると、
摂取カロリーを全て電力に変換し、電力としてストックできます。
つまり、いくら食事をしても太らず、その上、電気代も浮く…というものです」
「す、すごいですね!」
「食べてはいるので空腹にはなりません。
効果は一週間…どうしますか?」
ブタの答えは決まっていた。
「連続使用は条例で禁止されています。
…例えば、偽名や変装で何度も来たりしないでくださいね。
絶対にやめてくださいね? 効果が切れると一気にリバウンドしますが、くれぐれも連続照射はやめてくださいね?」
「り…リバウンド…?」
「はい、効果が切れるとリバウンド例が多く有ります。
が、くれぐれも連続照射は受けないようにしてください」
2ヵ月後の朝食時。
私はあの患者…何回も偽名を使われたせいで名前も思い出せないが、あのブタが死んだという記事を読んだ。
“偽名と変装を駆使して”私の病院で放射線を受け続けたせいだろう。
いくらなんでも、脂肪にはビタミンなんてないし、栄養バランスなんて整っているはずがない。
脂肪を分解しただけのエネルギーだけで、何ヶ月も人間が生きられるわけがない。
「ふク…プフ、バーカ!
いくら自覚症状がないからって途中で気付け!
脳まで贅肉でできてたんじゃねーのかぁーッ?」
医療ミス扱いされるだろうが、デブが偽名を使っていた以上、責任を押し付けるのは難しくない。
金は振りまくことになるが、不幸をスパイスとした朝食の代金としては安い。
だが、その記事の真横の記事に、私の舌は恐怖に麻痺した。
『カロリー電消機の放射線は処方する医師にも僅かながら効果あり。
毎週のように連続照射すると医師側にも永久的に効果が持続する。
放射線治療はリスクも高いことから通常の医師による使用回数は少ない模様』
最近、金属を触ると静電気のようなショックがある。
そして、私の他人を見下すための健康的な食生活では、余剰体脂肪もなく…意識を失った。
『電消機乱用の医師、死亡』
8月4日の神社出版の新聞の三面記事には、揉み消し工作もできずにこのように掲載されていた。
この記事の不幸によって、最高の朝食を食べた人間がいるかは、誰にもわからない。
…予約を入れていない非常識な患者は総じてそうだ。いきなりやってくる。
「先生、私痩せたいんです」
こう云われて理由を訊くのは無意味だ。
痩せたいから痩せたい、そう云われたらただ商売…じゃなかった、治療をするだけだ。
「はい、ではこれはどうでしょう。カロリー電消機です」
「でん…しょう?」
「原理は難しくありません。
人間は食物をエネルギーとして消費しますが、太るというのは何らかの要因…」
ここで不摂生だとか、自己管理不備などは禁句、客を逃がすだけだ。
…ああ、云いたい。
相手の欠点を云い連ねて、優越感に浸りたい。
私が医者をやっている最大の積極的理由がそれだ。
病気で不幸な患者が居れば、健康な私がそれを看取る…幸せとは比較なのだ。
自分より不幸なクズが居るからこそ、自分の幸福を感じることができる。
…そんなわけで、私は説明を続ける。
「電消機の放射線を浴びると、
摂取カロリーを全て電力に変換し、電力としてストックできます。
つまり、いくら食事をしても太らず、その上、電気代も浮く…というものです」
「す、すごいですね!」
「食べてはいるので空腹にはなりません。
効果は一週間…どうしますか?」
ブタの答えは決まっていた。
「連続使用は条例で禁止されています。
…例えば、偽名や変装で何度も来たりしないでくださいね。
絶対にやめてくださいね? 効果が切れると一気にリバウンドしますが、くれぐれも連続照射はやめてくださいね?」
「り…リバウンド…?」
「はい、効果が切れるとリバウンド例が多く有ります。
が、くれぐれも連続照射は受けないようにしてください」
2ヵ月後の朝食時。
私はあの患者…何回も偽名を使われたせいで名前も思い出せないが、あのブタが死んだという記事を読んだ。
“偽名と変装を駆使して”私の病院で放射線を受け続けたせいだろう。
いくらなんでも、脂肪にはビタミンなんてないし、栄養バランスなんて整っているはずがない。
脂肪を分解しただけのエネルギーだけで、何ヶ月も人間が生きられるわけがない。
「ふク…プフ、バーカ!
いくら自覚症状がないからって途中で気付け!
脳まで贅肉でできてたんじゃねーのかぁーッ?」
医療ミス扱いされるだろうが、デブが偽名を使っていた以上、責任を押し付けるのは難しくない。
金は振りまくことになるが、不幸をスパイスとした朝食の代金としては安い。
だが、その記事の真横の記事に、私の舌は恐怖に麻痺した。
『カロリー電消機の放射線は処方する医師にも僅かながら効果あり。
毎週のように連続照射すると医師側にも永久的に効果が持続する。
放射線治療はリスクも高いことから通常の医師による使用回数は少ない模様』
最近、金属を触ると静電気のようなショックがある。
そして、私の他人を見下すための健康的な食生活では、余剰体脂肪もなく…意識を失った。
『電消機乱用の医師、死亡』
8月4日の神社出版の新聞の三面記事には、揉み消し工作もできずにこのように掲載されていた。
この記事の不幸によって、最高の朝食を食べた人間がいるかは、誰にもわからない。
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