レッド・ドラゴン 感想(総合:☆☆★★★)
映像:☆☆☆★★
キャラ:☆☆★★★
ストーリー:☆☆★★★
俳優:☆☆☆☆★
総合:☆☆★★★
借りてきたDVDの映画を観ています。今回はレッド・ドラゴン!
直観力を持つFBI捜査官が連続殺人鬼、ハンニバル・レクターを逮捕し、一度は前線を退いた。
しかし、新たに起きた連続殺人を解決するためにかつての同僚に呼び戻された捜査官は、レクターと協力しながら事件解決に乗り出すが…。
その頃、犯人の男は、とある出会いを経ていた。
残念クオリティの映画でした。
第一作によって華々しく映画史に残る名キャラクター・レクターがデビューをし、第二作目では脱走したレクターを描いた当シリーズ。
てっきり第三作なので、逃亡したレクターをどうにかする話だと思いきや、まさかの前日談。
話のプロットを推察すると、元々は殺人鬼と全盲の女性の心の交流を描いた話だったようなのだが、それでは企画が通らず、ハンニバルシリーズとして企画を再編成したような形跡が見られる。というのも。
1:監督が別人
2:シナリオ中、レクターの頭脳を必要とするシーンがほとんど存在しない。
3:以前のシリーズに有ったようなショッキングなシーンがほとんどない。
4:第一作のように捜査官ベースでありながら、最初から犯人が分かっている倒叙形式。
映画にはよくあることではあるし、監督が代わること自体は問題じゃない。シリーズモノの方が抱き合わせ商法的に注目されるし、理解もできる。
しかしながら、そのせいで中盤までは犯人がコンプレックスに苛まれながらも全盲女性との交流に喜びながらも苦悩する表現を一貫していたのに、唐突に女性を利用して捜査官を殺害しようとする。
意表を突く、というより、単純にキャラクター心理に共感できない。
あそこで彼女を殺そうとしたのは全部演技だった? はあ?
彼がレッドドラゴンに苦しめられているのは理解できるが、それでなぜ、彼女を殺すでもなく生かすでもなく、火の中放置プレイという手段になるのかが作中で明示されない。
恐らくだが、最初は火事のシーンでラストにするつもりだったのだろうが、そこに捜査官の設定が加わり、捜査官の活躍シーンとしてラストバトルをするためにトリックを追加したのだと思われる。
作中で犯人がレクターに傾倒している理由も良く分からないし、作中で頭の良い犯人と説明されているが、それらしいシーンはほとんど無い。
そもそもレクターが捜査官の家族を襲わせようとするメリットも分からない上、失敗している。
悪魔的頭脳を持つレクターという設定で有りながら、レクターは今作、彼らしい仕事を何もしてないのだ。
映像的にも以前のシリーズで見られたレザーマスクや頭ステーキといったショッキングな演出は無く、凡庸なシーンばかり。
タイトルのレッド・ドラゴンも未回収。
作中の絵画はウィリアム・ブレイクという有名な作家の作だったと思うが、清純な女性をドラゴンが蹂躙するとかそういうニュアンスの絵。
映画内の解釈としては、『純粋だった少年が幼少期のトラウマによって蹂躙される』あるいは、
『女性が魔物を生んだ』あるいは、『犯人の中にある魔物と純粋さの暗喩』など、可能な解釈が多く、中々に断定できない。
視聴者の判断に任せると云えば聞こえは良いが、視聴者の心に残れないならば、それは説明不足でしかない。
シリーズモノとしても単独映画としても、娯楽作品としてもミステリーとしても、とても一流の映画とは言い難い。
キャラ:☆☆★★★
ストーリー:☆☆★★★
俳優:☆☆☆☆★
総合:☆☆★★★
借りてきたDVDの映画を観ています。今回はレッド・ドラゴン!
直観力を持つFBI捜査官が連続殺人鬼、ハンニバル・レクターを逮捕し、一度は前線を退いた。
しかし、新たに起きた連続殺人を解決するためにかつての同僚に呼び戻された捜査官は、レクターと協力しながら事件解決に乗り出すが…。
その頃、犯人の男は、とある出会いを経ていた。
残念クオリティの映画でした。
第一作によって華々しく映画史に残る名キャラクター・レクターがデビューをし、第二作目では脱走したレクターを描いた当シリーズ。
てっきり第三作なので、逃亡したレクターをどうにかする話だと思いきや、まさかの前日談。
話のプロットを推察すると、元々は殺人鬼と全盲の女性の心の交流を描いた話だったようなのだが、それでは企画が通らず、ハンニバルシリーズとして企画を再編成したような形跡が見られる。というのも。
1:監督が別人
2:シナリオ中、レクターの頭脳を必要とするシーンがほとんど存在しない。
3:以前のシリーズに有ったようなショッキングなシーンがほとんどない。
4:第一作のように捜査官ベースでありながら、最初から犯人が分かっている倒叙形式。
映画にはよくあることではあるし、監督が代わること自体は問題じゃない。シリーズモノの方が抱き合わせ商法的に注目されるし、理解もできる。
しかしながら、そのせいで中盤までは犯人がコンプレックスに苛まれながらも全盲女性との交流に喜びながらも苦悩する表現を一貫していたのに、唐突に女性を利用して捜査官を殺害しようとする。
意表を突く、というより、単純にキャラクター心理に共感できない。
あそこで彼女を殺そうとしたのは全部演技だった? はあ?
彼がレッドドラゴンに苦しめられているのは理解できるが、それでなぜ、彼女を殺すでもなく生かすでもなく、火の中放置プレイという手段になるのかが作中で明示されない。
恐らくだが、最初は火事のシーンでラストにするつもりだったのだろうが、そこに捜査官の設定が加わり、捜査官の活躍シーンとしてラストバトルをするためにトリックを追加したのだと思われる。
作中で犯人がレクターに傾倒している理由も良く分からないし、作中で頭の良い犯人と説明されているが、それらしいシーンはほとんど無い。
そもそもレクターが捜査官の家族を襲わせようとするメリットも分からない上、失敗している。
悪魔的頭脳を持つレクターという設定で有りながら、レクターは今作、彼らしい仕事を何もしてないのだ。
映像的にも以前のシリーズで見られたレザーマスクや頭ステーキといったショッキングな演出は無く、凡庸なシーンばかり。
タイトルのレッド・ドラゴンも未回収。
作中の絵画はウィリアム・ブレイクという有名な作家の作だったと思うが、清純な女性をドラゴンが蹂躙するとかそういうニュアンスの絵。
映画内の解釈としては、『純粋だった少年が幼少期のトラウマによって蹂躙される』あるいは、
『女性が魔物を生んだ』あるいは、『犯人の中にある魔物と純粋さの暗喩』など、可能な解釈が多く、中々に断定できない。
視聴者の判断に任せると云えば聞こえは良いが、視聴者の心に残れないならば、それは説明不足でしかない。
シリーズモノとしても単独映画としても、娯楽作品としてもミステリーとしても、とても一流の映画とは言い難い。
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